医療費の抑制

2010年度に医療機関などを受診して治療などに支払われた国民医療費が前年度比3.9%(1兆4135億円)増の37兆4202億円となったと厚生労働省が先日発表していました。1人当たりの医療費も同3.5%増の29万2200円で、いずれも4年連続で過去最高を更新したとのことです。
 同省は、高齢化と医療技術の高度化が進んだためと分析しています。年齢別では、65歳以上が20兆7176億円で全体の55.4%を占め、1人当たりでも70万2700円と、65歳未満(16万9400円)の約4倍に達したとのことです。 また、国民所得に占める医療費の割合は10.71%で、2年連続で10%を超えたとのことです。

どんどん高騰していく医療費の抑制の対策として、国はさかんにジェネリック(後発)医薬品の普及を推進しています。 しかし、安い薬を使って医療費を抑制するという発想は、どう考えても焼け石に水的な発想のような気がします。根本的に医療費を抑制するのであれば、処方する薬を減らすことと、そして患者の数を減らすことが根本的な解決だと思います。

政治家や医師、製薬会社、メディアとのつながりが見えてくると、むしろ患者の数は減らされるどころか増やされているような気がしてなりません。

最近では、製薬会社が「○○はお医者さんに相談しましょう」というCMを頻繁に流し、受診させ自社の薬の処方を促すというパターンがよく目立ちます。

国民1人当たりの年間平均受診回数は、日本人は21回、アメリカ人は5.3回、フランス人は5.2回、イギリス人は4.8回、スウェーデン人は2.7回というデータが出ています。日本は国民皆保険制度であるとはいえ、日本人は極端に受診回数が多いのです。

国民医療費のうち約8兆円が医薬品なのだそうです。私が調剤をしていてよく思うことは、一人の患者に非常に多くの薬が処方されていて余分な薬まで漫然と処方されている、ということです。そして、確かに必要な薬もありますがほとんどが対症療法の薬で根本的な治療にはなっていないということです。根本的な治療にはなっていないので、ずっと薬を飲み続けさらに薬が増え続けていく、ということになります。

医療費の抑制を根本的にしていくためには、病気にならないよう予防することが一番だと思います。予防と養生です。予防に力を入れて、患者の数を減らすことと処方される薬を減らすことです。21世紀は予防医学の時代と言われていますが、まだまだ日本人には予防に対する意識は薄いようです。巷にあふれるサプリメントや健康食品を飲んでいる、という方は多いでしょうが、果たしてそれは本当にいいものなのか、それを飲んでいるだけで健康になれるのか、は疑問です。

 ご一緒に、病気にならない身体作り、病気になっても軽くすむ身体作り、化学薬品に頼りすぎない身体作り、薬漬けにならない身体作りを目指してまいりましょう。それが自分自身の健康になり、未来の子孫のために負債を減らすことにも繋がります。