「食べ物にも薬効がある」「食べ物こそ最高の薬であり、漢方薬はそういった食べ物から構成された薬である」
ということをこれまでも言ってきましたけれども、
先日、「老化を抑制する食品」というのが科学的にも証明されました。
「セル・メタボリズム」という世界最高峰の科学誌に論文が掲載されたのですが、
2年間熟成したニンニクに含まれる「S1PC」という成分に抗老化作用があるということが科学的に証明されました。
マウスにおいてだけではなくて、ヒトにおける臨床試験においても確認されたということです。
これは、世界の研究者たちが驚くような非常にインパクトのある発表でした。
「S1PC」という成分は、生のニンニクや黒ニンニクにはほぼ含まれていない成分で、
ニンニクを2年間熟成させることで生まれる成分になります。
2年間熟成させた「熟成ニンニク抽出液」に含まれる成分なのです。
そのS1PCの抗老化作用の簡単なメカニズムを簡単に説明すると、
「サーチュイン遺伝子」って聞かれたことがあるかもしれないですが、
老化や寿命に関わる遺伝子で、長寿遺伝子とも呼ばれるものです。
そのサーチュイン遺伝子(SIRT1)は NAD⁺という補酵素と結合することで働いて、抗老化作用・・・老化を防ぐ多くの作用をもたらします。
細胞を修復したりして老化を抑制するわけです。
ですので、SIRT1が働くためには NAD⁺を増やすということが非常に重要なわけなのです。
NAD⁺は誰もが年齢とともに減少しますし、
過食、運動不足、精神的ストレス、喫煙、過度の飲酒、強い紫外線などによって減少することが知られています。
そういったことでNAD⁺が減少すると老化がどんどん進むというわけです。
そして、今回の研究で発見されたのが、
2年間熟成したニンニク抽出液を摂ると、それに含まれるS1PCが脂肪組織に働きかけて脂肪細胞からeNAMPT(イーナムピーティー)という酵素が放出され、
その酵素が血液に乗って脳の視床下部へ送られて、視床下部でNAD⁺を合成するということです。
そして、そのNAD⁺がSIRT1と結合することで抗老化作用をもたらします。
NAD⁺を増やすことによって、筋肉の低下を防いだり、老化を遅らせる働きをしたということなのです。
それから「NMN」というのも皆さん聞かれたことがあるかもしれませんが、
近年、注目されていてサプリメントなんかもよく出ていますが、
NMNはNAD⁺の前駆物質で、NMNが体内でNAD⁺に変わるのです。
そして、そのNMNも体内でニコチンアミド(ビタミンB3)からeNAMPTによって作られます。
ニコチンアミド(B3)は魚介類、肉類、キノコ類などに含まれるビタミンになります。
今回の研究で 非常に注目されているのが、
こういった自然由来のもの(2年間熟成したニンニク)に抗老化作用があるということが科学的に証明されたということと、
脂肪は悪者のイメージがありますけれども、脂肪もある程度は必要だということなのです。
脂肪からeNAMPTが分泌されるわけですので、ちょい太くらいのほうが元気で長生きするということも科学的に裏付けられたということなのです。
「S1PC」のこと、「抗老化」のこと、
元気で若々しく年を取りたいという方はお気軽にご相談ください。
(有野台薬品・漢方健康薬剤師 井上満弘)
